深作琉羽
「音楽+α」を持ち帰ってもらえる、そんな“パワースポット”になりたい
2022年1月1日。
深作琉羽が初めてギターを手にした日だ。
わずか2か月後には路上ライブを始め、その後も活動を止めることなく歌い続けてきた。
彼が自分を表す言葉として挙げるのは、
「可能性」「継続」「挑戦」
しかし、その根底にあるのは根性論ではない。
「続けなければならない」のではなく、「続けることが自然になった」。
学生時代に抱えていた劣等感や孤独感。あの頃の自分が欲しかった言葉を、今は音楽に変えて誰かへ届けている。
深作琉羽にとって音楽とは何なのか。
そして、彼が目指す“パワースポット”とはどんな場所なのか。
REKABO SONIC が話を聞いた。
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「勘違いし続ける覚悟」が、音楽を続ける力になる
「継続するために大切なことは何ですか?」
そう尋ねると、深作は「守りたい将来」や「叶えたい目標」という言葉とともに、こんな表現を口にした。
「勘違いし続ける覚悟」
それは単に何でも前向きに考えることではない。
音楽を始める前の自分は、ずっとネガティブだったという。
だからこそ、彼が書く曲には、あの頃に抱えていた劣等感や孤独感が色濃く反映されている。
「あの時の自分が欲しかったものを曲にしているんです。それを消化し続けるっていう目的があるので」
だから「音楽を続けなければ」と無理に自分を奮い立たせているわけではない。
「特に続けようとか、前向きに考えようっていうのはなくて。自然とずっと続けてきてるっていう感じです」
その言葉通り、SNSでの毎日投稿もすでに習慣になっている。
「もう歯磨きみたいな感じです。しないと逆に不安」
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ネガティブなものが溢れる時代だからこそ
深作の発信には、一つの明確な軸がある。
それは、必要以上にネガティブなものを発信しないこと。
SNSには、アンチコメントや誰かを冷笑するような言葉が溢れている。
そんな時代だからこそ、自分まで同じ場所に立つ必要はないと考えている。
「自分が発信しているベースって、学生時代に自分が欲しかった言葉とか、求めていたものなんです。そういう人にネガティブな言葉って、絶対必要ないと思っていて」
孤独や劣等感を知っているからこそ、届ける言葉を選ぶ。
「世の中にネガティブなものが溢れかえっている中で、それと同じになったら、発信する“深作琉羽”でいる意味がなくなっちゃう」
音楽を通して何を伝えるのか。
その答えを、彼は過去の自分自身の中から探している。
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「歌が上手い」だけでは、何度も来てもらえない
深作は、自分の歌についても決して過大評価しない。
「歌がうまい人って、正直いっぱいいるじゃないですか」
メジャーアーティストのライブに行けば、歌も上手いし、楽曲も素晴らしい。
では、その中でなぜ自分のライブに足を運んでもらうのか。
深作が大切にしているのが、
「音楽+α」
という考え方だ。
「小さい箱に来てくれてる人に、やっぱり繰り返し来てもらうのは何かって言ったら、音楽プラスα、何か持ち帰ってもらうっていうのは大事にしてます」
それは歌唱力や演奏技術だけでは届けられないものだ。
ライブを観た人が少し元気になったり、前向きになったり、
「また明日も頑張ろう」
そう思える時間を作ること。
深作はそんな場所を、
「パワースポット」
と表現する。
「一つの居場所というか、パワースポットみたいなものにはなりたいなとはずっと思ってるので」
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自分が欲しかった「居場所」を、今度は誰かに
深作の音楽の原点には、学生時代の自分がいる。
孤独で、自信が持てず、誰かに認めてもらいたかった自分。
その頃の自分が欲しかった「居場所」を、今は音楽として誰かに届けようとしている。
だからライブもSNSも、単に自分を売り込むための場所ではない。
「お客さんがいる以上、自分の伝えたいものはもちろんあるわけで」
チケット代を払い、時間を作り、会場まで足を運んでくれる人たち。
その人たちに対して、音楽だけではなく何かを返したい。
その想いが、深作琉羽というアーティストの活動を支えている。
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「音楽だけじゃない」を届ける
「売れたいなら、発信し続ける必要がある」
深作はそう考え、毎日のSNS投稿を続けている。
けれど、その目的は数字を増やすことだけではない。
自分の存在を知ってもらい、音楽を聴いてもらい、その先で「また来たい」と思ってもらうこと。
そのためには音楽だけではなく、そこで過ごす時間や、そこで受け取る言葉も大切になる。
深作琉羽が目指しているのは、ただ歌を届けるアーティストではない。
孤独なときに寄り添い、少し前を向くきっかけを作ること。
そしてライブが終わったあとに、
「今日は来てよかった」
と思ってもらえること。
そんな場所を、音楽を通して作ろうとしている。
「音楽以上に何かを持ち帰ってもらわないと、繰り返し応援してもらうきっかけにもならないと思うので」
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終わりに
歌声とともに、言葉を届ける。
音楽とともに、居場所を届ける。
ライブが終わったあとに、
「今日は来てよかった」
と思える時間。
そんな“音楽+α”を持ち帰ってもらえる場所を目指して、
深作琉羽は今日も歌い続けている。
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Interview & Photography by Chisui Iino
Published by REKABO SONIC
Vol.02 | December 2026